金属の料理 2010 4 4

書名 レアメタルのふしぎ
著者 齋藤 勝裕  サイエンス・アイ新書

 ラーメンというと、日本人の好物であり、
ラーメン通も多いことから、
ラーメンに使う食材や料理法は、
すべて研究され尽くしてしまったと思っていたら、
実は、数年前、あるラーメンを食べたら、
今まで食べたことのない味だったのです。
しかも、それは、実に日本人の味覚に合った味付けであり、
どうして、今まで、こうした味付けが発見されなかったのかと不思議に思いました。
 もちろん、人気の料理は、
食材や料理法が研究され尽くしてしまったと思いますので、
新たな食材や料理法の発見は、今後、少ないと思います。
 それに比べれば、金属の研究は、まだまだ「未知の大陸」と言えるでしょう。
後世の人たちは、きっと、こう言うでしょう。
「21世紀までの人類は、食材や料理法の研究には熱心だったが、
金属の研究には、あまり関心がなかった。
だから、彼らは、金属と共に暮らしていたが、金属の使い方は知らなかった。
彼らの文明は、食の文明だったと言える。
科学技術の文明は、21世紀後半から始まった」
 最近、日本では、純金で、金細工をするのがブームかもしれませんが、
そもそも、不思議に思わないでしょうか。
「純金」も「鉛」も、使っている材料は同じです(陽子、中性子、電子)。
単に、陽子、中性子、電子の数が違うだけです。
 金属の性質を決めるのは、
外殻の電子数の違いによると言われることもありますが、
それにしても、あまりにも個性が違いすぎると思います。
 さて、前置きが長くなりました。
日本は、資源小国と言われますが、
とりわけ、レアメタルに関しては、
資源小国どころか、資源貧弱国と言えるでしょう。
ハイテク部品に不可欠のレアメタルを輸入に頼るのが、日本の弱点でしょう。
 しかし、この際、発想の転換が必要でしょう。
レアメタルを地下から発掘するのではなく、製造するという発想です。
 アモルファス金属。
この本には、こう書いてあります。
「優れた性能を持つコモンメタルのアモルファスは、
レアメタルの代わりになることが期待されている。
アモルファス金属は硬度が大きいなど、構造的に優れているだけでなく、
磁性や伝導性などが、結晶状態の金属とは異なる優れた性能を持ちます。
 レアメタルが枯渇しそうな現在、
コモンメタルのアモルファスなど、
新しいタイプの金属の開発が待たれています」
















































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